利益相反(COI)申告

当学会では「利益相反(Conflict of Interest : COI)に関する指針」を策定し、対象者及び対象となる事業活動のCOI状態を公正に管理しています。

FAQ

A:COI全般について

A-1:COIとは何ですか?

COIとはConflict of Interestの略語であり、「利益相反」を意味します。

歯科医学研究を進める過程に於いて、企業・法人組織及び営利を目的とする団体が大きく関わることがあります(産学連携)。

産学連携により、臨床家・教育者・研究者としての社会的責任、及び中立性のある臨床・学術・研究の意義と、個人・企業・組織の利益が、相反する状態(COI状態)となることがあります。

COI状態の研究に於いて、研究内容・成果の信頼性が脅かされる[例:某企業から経済的支援を受けていることで、その企業に有益となるよう研究内容・データ解析・研究結果を歪める、バイアスをかける]ことは、最も回避すべき状況です。

外部社会へCOI状態を明確にする(COI開示)[例:研究支援を受けている企業名・金額を明らかにする]ため、各機関がCOI関連の情報を管理します(COIマネージメント)。

A-2:何故COI申告・開示が必要なのですか?

COI状態の内、各個人で最も回避すべき行為は、不当に自己又は第三者の利益を図る[例:某企業から経済的支援を受けていることで、その企業に有益となるよう研究内容・データ解析・研究結果を歪める、バイアスをかける]ことです。

上記のような不当なものではなく、且つ、COI申告が適正になされている際は、外部社会から生じた懐疑の念に対して、「対象者を誹謗中傷から守る」という行動を執ることが、本学会として可能となります。

COIが適正に開示されることで、聴講者・読者等を含む研究の部外者はバイアスの有無を念頭に置くこととなり、その研究内容・結果に於いて中立・客観的な判断が可能となります。

A-3:「COI状態にある」ということは、「好ましくないこと」なのですか?

いいえ。

臨床家・教育者・研究者が、企業・法人組織及び営利を目的とする団体から、研究支援を受ける・講演・執筆料をいただく・役職への就任を依頼される、等は、研究者・講演者・筆者としての実力、組織牽引の手腕・人望等に対する期待の表れでもあり、「COI状態にある」こと、そのものには、何の問題もありません。

COI状態を適正に申告・開示しない[例:COI状態の企業があるにもかかわらず、口演・ポスター・講演発表に際し、COI自己申告書の『無』に〇を付す・発表時の開示に“開示すべき利益相反関係にある企業はありません”と記す、というような、虚偽の申告・開示をする]ということが問題です。

A-4:どのような際にCOI申告が必要ですか?

申告の「対象者」が「対象となる事業活動」に関わる際となります。

例としては、『本学会学術大会にて口演・ポスター・講演発表をする』演者、『本学会誌に論文投稿する』筆者、あるいは『本学会役員(理事・監事)・顧問』等があります。

「対象者」は「配偶者」等も該当し、「事業活動」も各種ありますので、あらかじめ具体的な「対象者」及び「対象となる事業活動」を確認して下さい。

A-5:本学会会員は、「全員」COI申告をするのですか?

いいえ。

本学会会員「全員」が申告するというものではなく、申告の「対象となる事業活動」に関わる際に申告義務があります。

また、「本学会会員のみ」が申告の対象となるわけではありません。

A-6:私は本学会会員ではありません。それでもCOI申告の必要がありますか?

はい。

申告の「対象者」に該当し、且つ「対象となる事業活動」に関わる際には、本学会会員「以外」であっても、申告義務があります。

A-7:COI自己申告書の『有』に〇を付けると、本学会の役員を辞めなければならないのですか?

いいえ。

本学会の役員(理事・監事)・顧問は、就任時にCOI申告の義務があります。

申告事項・基準に該当する際は『有』に〇を付し、COI状態の概要を明記して下さい。

COI状態を正直に告げず『無』に〇を付すことは違反となります。

「COI状態にある」こと、そのものが「好ましくないこと」ではありません。

A-8:COI自己申告書の『有』に〇を付けると、本学会の学術大会で発表(口演・ポスター・講演)することができなくなるのですか?

いいえ。

本学会の学術大会で口演・ポスター・講演発表する演者は、事前に「COI申告」、発表時に「COI開示」の義務があります。

申告事項・基準に該当する際は『有』に〇を付し、COI状態の概要を明記して下さい。

COI状態を正直に告げず『無』に〇を付すことは違反となります。

「COI状態にある」こと、そのものが「好ましくないこと」ではありません。

A-9:COI自己申告書を提出しなくても、本学会で発表(口演・ポスター・講演)できますか?

いいえ。

本学会の学術大会で口演・ポスター・講演発表する演者は、事前に「COI申告」、発表時に「COI開示」の義務があります。

A-10:本学会の『公開フォーラム』に於いて、外部演者(歯科医師・歯科医師以外を問わず)が講演する際もCOI申告の対象となりますか?

はい。

外部演者も申告の「対象者」に該当し、且つ本学会の『公開フォーラム』は「対象となる事業活動」ですので、申告義務があります。

B:申告方法について

B-1:一般口演・ポスター発表・依頼講演をする際、どのようにCOI申告をするのですか?

抄録登録時までに『様式1』のCOI自己申告書を理事長宛に提出します。

また、発表時には、該当するCOI状態について、『様式2』の通り開示します。

『様式2』による開示方法の詳細は、COI指針を確認して下さい。

発表内容に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

B-2:論文を投稿する際、どのようにCOI申告をするのですか?

論文投稿時までに『様式3』のCOI自己申告書を理事長宛に提出します。

また、該当するCOI状態については、論文末尾の引用文献の前に記載して開示します。

論文内容に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

B-3:研究・教育・調査に関わる際、どのようにCOI申告をするのですか?

研究・教育及び調査に関わる研究倫理審査申請書の提出時に併せて『様式4』のCOI自己申告書を理事長宛に提出します。

また、該当するCOI状態については、研究結果等の発表と同時に適切な方法で開示します。

研究・教育・調査内容に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

B-4:本学会の役員・顧問に就任した際、どのようにCOI申告をするのですか?

『様式5』のCOI自己申告書を理事長宛に提出します(但し、賛助会員の代表者・役員ないし従業員は本申告対象外です)。

本学会事業に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

B-5:現在、本学会役員(あるいは顧問)の任期中です。「就任時」の申告内容とは別に、新たなCOI状態が発生しました。こちらに関してはどのように対応するのですか?

在任中に新たなCOI状態が発生した際は、速やかにCOI自己申告書、『様式5』を、あらためて理事長宛に提出して下さい。

B-6:COI 自己申告書の「申告対象期間」とは、「いつから」を記載するのですか?

抄録登録時・論文投稿時・研究倫理審査申請書提出時・役職就任時から遡って過去1年間が申告対象期間です。

C:申告事項・基準について

C-1:具体的な申告内容は何ですか?

企業、法人組織及び営利を目的とする団体との関係に於ける、次の事項です。

  1. 役員・顧問職・社員等への就任
  2. 株式の保有
  3. 特許権使用料の受領
  4. 会議の出席(発表等)に対し、払われた日当(講演料等)の受領
  5. 刊行物・パンフレット等(電子データ化されたものも含む)の執筆に対する原稿料の受領
  6. 研究費・助成金等の受領
  7. 奨学(奨励)金・寄付金等の受領
  8. 寄付講座への所属
  9. 人員・設備・施設の提供を受けた場合
  10. 研究とは直接無関係な旅費、贈答品等の受領
C-2:申告内容に関して、具体的な基準はありますか?

はい。

各申告事項の基準は次の通りです。

また、基準額には消費税額を含みません。

  1. 役員・顧問職・社員等については、1つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100万円以上
  2. 株式の保有については、1つの企業についての年間の株式による利益(配当、売却益の総和)が100万円以上、あるいは当該全株式の5%以上を所有
  3. 特許権使用料については、1つの権利使用料が年間100万円以上
  4. 会議の出席(発表等)に対し支払われた日当(講演料等)については、1つの企業・団体からの総額が年間50万円以上
  5. 刊行物・パンフレット等(電子データ化されたものも含む)の執筆に対する原稿料については、1つの企業・組織や団体からの総額が年間50万円以上
  6. 研究費・助成金等については、1つの企業・組織や団体から歯科医学研究に対して支払われた総額が年間200万円以上
  7. 奨学(奨励)金・寄付金等については、1つの企業・組織や団体から歯科医学研究に対して支払われた総額が年間200万円以上
  8. 寄付講座に申告者が所属
  9. 研究遂行に際する、人員・設備・施設提供を受けた場合
  10. 研究とは直接無関係な旅費、贈答品等の受領については、1つの企業・組織や団体から受けた総額が年間10万円以上
C-3:申告内容・基準はどのように(何を参考に)決めているのですか? また、今後、申告内容や基準が変わることはありますか?

「日本歯科医学会」の「研究等の利益相反に関する指針」(2014年4月9日から半年間試行期間、2014年10月9日より完全実施)を参考としています。

他学会の動向及び社会情勢を踏まえ、必要に応じ、COI指針は変更されますので、申告・開示の際は最新版のCOI指針を確認して下さい。

C-4:口演(あるいはポスター・依頼講演・論文・研究)発表をします。歯科関連の企業・組織・団体に関してのみを申告をするのですか?

いいえ。

「歯科関連であるか、否か」で申告対象の是非を問うのではなく、発表・論文・研究内容に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

発表内容に一切関係のない、企業・組織・団体との関わりについては、COI自己申告書に「該当無し」とします。

C-5:本学役員・顧問就任の際の申告は、歯科関連の企業・組織・団体に関してのみを申告をするのですか?

いいえ。

「歯科関連であるか、否か」で申告対象の是非を問うのではなく、本学会事業[例:学術大会・咬合フォーラム・研修会・学会誌、等]に関わる、企業・法人組織及び営利を目的とする団体に於いて申告します。

賛助会員、及び賛助会員に成り得る企業・組織・団体との関わりも、申告対象となります。

非営利団体との関わりは申告対象とはなりません[例:NPO法人理事・支払基金審査委員・大学教員・歯科医師会役員・PTA会長、等]。

C-6:共同演者・共同執筆者に関しても申告する必要がありますか?

いいえ。

現時点では、筆頭演者・筆頭著者に関しての申告です。

将来、共同演者・共同執筆者へ申告義務を拡大するか否かは、他学会の動向及び社会情勢を踏まえ、検討されます。

C-7:学術大会に於ける、企業スポンサー枠の依頼講演(あるいは企業スポンサーのランチョンセミナー)の演者です。こちらの講演(あるいはランチョンセミナー)に関しても事前のCOI自己申告書の提出・講演時の開示は必要ですか?

はい。

企業との関連が明白な状況に於いても、COI自己申告書の提出・講演時の開示は必要です。

C-8:大学の教授をしています。こちらの給与も申告の対象となりますか?

いいえ。

大学は非営利団体です。
非営利団体との関わりについては申告対象外です。

C-9:大学主催の卒後研修コースを担当しています。こちらの報酬も申告の対象となりますか?

いいえ。

大学は非営利団体です。
非営利団体との関わりについては申告対象外です。
大学ではなく、企業主催の際は申告対象となります。

C-10:企業主催の研修コースを担当しています。こちらの報酬も申告の対象となりますか?

はい。

そちらの企業が、口演(あるいはポスター・依頼講演・論文・研究)発表内容に関わる際は申告対象となります。

本学役員・顧問就任時の申告も、そちらの企業が本学会事業に関わる際は申告対象となります。

D:申告書の取り扱いについて

D-1:提出後のCOI自己申告書は、どのように保管されるのですか?

所定の日から2年間、 理事長及びCOI委員会の監督下に、事務局にて厳重に保管されます。

保管期間経過後の取り扱いに関してはCOI指針を確認して下さい。

また、「所定の日」はCOI自己申告書の各様式により異なります(以下、各所定日)。

  1. 様式1に関しては、学術集会等の開催日
  2. 様式3に関しては、機関誌及び学術図書等の発刊日
  3. 様式4に関しては、研究結果等の発表日
  4. 様式5に関しては、任期満了日
D-2:提出後のCOI自己申告書は、誰でも閲覧できるのですか?

いいえ。

理事長・COI委員会がその任務遂行のために閲覧する以外は、原則として非公開です。

但し、本学会として社会的・道義的な説明責任を果たす必要がある際は、内外に開示・公表することがあります。

E:違反・不服について

E-1:COI申告が必要であるのに申告をしない(あるいは講演時に開示しない)と、どのようになりますか?

申告義務を果たしていないと見做され、申告対象の事業活動への関与は認められません。

本学会で発表(口演・ポスター・講演)時に開示しない際も同様です。

後日に上記が判明した際は、「違反者に対する措置」が執られます。

E-2:申告内容が事実と異なる際は、どのようになりますか?

「違反者に対する措置」が執られます。また、違反の深刻度により措置が異なります。

E-3:申告内容について「違反措置決定」の通知を受け取りましたが納得でき兼ねる点があります。異議を唱えることは可能ですか?

はい。

理事会における議決結果の通知を受けた日から14日以内に、理事長宛に「不服申し立て審査請求書」を提出することにより、審査請求をすることができます。

F:その他

※こちらのカテゴリーに当てはまる内容は、現時点ではありません。

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利益相反(COI)に関する指針

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