就任にあたって

―『臨床力』を磨き国民の口腔機能を整える―

前期に引き続き日本顎咬合学会理事長を拝命しました黒岩昭弘です。さらなる重責を感じるとともに、私が続投となる一番の目的の専門医制度の認証を目指して渾身の努力をする所存です。これまで以上に会務執行のため会員の皆様のご理解・ご協力をいただきたく存じます。何卒よろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人 日本顎咬合学会

理事長 黒岩 昭弘

さて、先の期は新型コロナのパンデミックのために、人が集まる事業をほとんど行えない事態でした。なぜ人は集うのでしょうか? マズローによると人は基本的な欲求が満たされると次には仲間を求め、そのグループ中で認められたくなり、最終的には自らの可能性や使命の達成をもとめるのだと説いています。同じ目的で人が集う学会はまさにこれらの欲求の推移によって成立しているのかもしれません。コロナ禍によって各種会議は仮想で集まるWeb会議がニューノーマルになってしまいました。人と人の関係が希薄だと言う方もいますが、今回行われた第38・39回学術大会でWeb開催によって感染のリスクや移動時間は無くなり、オンディマンドによって時間に拘束されずに参加できるなど、様々な利点を得ながら無事、大会の目的を達成しました。また、公開フォーラムも含め6、200名を超える大変多くの方に参加していただきました。ありがとうございました。

さて、本部学術大会の総括も終わり、アンケートの集計をしたところ、良い評価をいただきました。それは多くの口演が聞けたということでした。オンデマンドで開催する方法をとったことで、多くの情報から得られる臨床のエッセンスに浸れる素敵な時代が訪れました。口演していただいた会員の先生をはじめ大会に花を添えていただきました依頼口演の先生方、開催スタッフに厚く御礼申し上げます。次期大会は40回記念大会で学会の節目となる大会です。実開催の利点である技術的な伝達、臨床力を磨くことを達成するための言語・非言語を超えた人間関係の構築が加味されれば、これからの時代の日本顎咬合学会の学会様式が誕生します。スタッフが頑張ることはもちろんですが、会員の皆様、久しぶりに集い・語りあい楽しく有意義な大会にしましょう。

―『臨床力』を磨き国民の口腔機能を整える―のスローガンに関しては、これまで歴代の理事長によってブラッシュアップされ提案された「顎咬合学」を十分に習得していただき、まず、予防的観点から国民の健康を守り、患者となった場合には、「顎咬合学」の考えによる治療で国民の口腔機能を整えていただきたいと思います。さらに『臨床力』を磨き国民の健康寿命の延伸も図っていただきたく存じます。これは単にコンセプトを語るのではなく、咬合のエキスパートとして、分野・年齢関わらずどの患者さんにも長期に安定した結果をもたらす治療ができる能力としての『臨床力』を絶えず磨いていただくことを希望します。それを達成するために若い先生方には教育研修体制を用意し、指導医や認定医の皆様にも技術とそれを支えるエビデンスを習得する体制を整えております。最終的には本学会会員であることの満足感と誇りを持てるような学会運営を目指しています。

そして、新しい潮流がこの学会に訪れています。広告開示可能な専門医制度の認証です。これに関しては実現へ向けて準備を進めています。さらに学会自身のステップアップを目標として日本歯科医学会専門分科会へのアプローチを考えています。これを行うことによってこれまでこの学会が行ってきた歩みをブラッシュアップし、アカデミアの一員としてさらなるグローバル化を目指したいと思っています。それにはこれからの学会の向かう方向など多くの議論を尽くし、これからの日本顎咬合学会らしい歩みにしたいと思っております。2年間よろしくお願いいたします。

WEB会員専用システムログインのお願い

会員専用システムが新しくなりました。一度ログインしていただき、会員情報などご確認ください。

検索
Generic filters
検索
Generic filters