日本顎咬合学会会員の皆様、こんにちは。
この度、特定非営利活動法人 日本顎咬合学会の第17代の理事長を担うこととなりました金沢紘史と言います。これからの2年間、会員の皆様が有意義な学会であると思われるような運営を司れるよう精一杯努めていきたいと思っております。よろしくお願い致します。
さて本会は顎咬合学を名称としていますが、この名称は大学の講座名にはない分野です。その意味するところは「顎口腔系に関する解剖・組織・生理・病理を取り扱い、診査・診断・治療計画を基礎とし、顎口腔系の治療を行う科学である」と定義づけています。
咬合は歯科の根幹であり、歯科臨床における様々な処置は咬合と密接に関連しています。咬合については幾つかの分野(補綴歯科学、矯正歯科学、歯周病学、小児歯科学等)で捉えられていましたが、統合的に臨床の場のニーズの応えられるようにという目的で本会が設立されました。これらは歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の三位一体の協働により行われることで、国民の皆様の健康な咬合を予防面、育成面、再建面、維持・管理面から支えることが本学会の担うべき役割と考えます。
そのために私が常々、根底に考えているのは会員目線での学会運営です。日々の歯科臨床に携わっている歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の皆様が本会の進むべき方向性も含めて、何を日本顎咬合学会に求めているのか、何を期待しているのか、本部・支部の学術大会や学会誌、認定制度等を通して様々なご意見を頂きながら、本会役員が一致団結して会員の皆様の気持ちに応えられる様、舵取りの責務を果たして行きたいと思っております。
私自身、約30数年前に臨床歯科の研鑽のために学術大会に参加し講演を聴きながら、このような方針で治療計画を立てるのか、こんな器械・材料を駆使するのか、こんな術式があったのか、この様なエビデンスがあっての治療なのか、こんなにも長期的なフォローがあるのか等、フィロソフィーも含めて大変、勉強になった経験があります。
歯科医療を取り巻く学術的環境は日進月歩で、ありとあらゆる情報が入り、これらを日々の診療に反映させるためには学会に参加して勉強していくのが我々医療人の努めです。
顎咬合学を通して口腔を総合的な臨床力で管理し、国民の健康を支えることを目標に、咬合を育む小児歯科、咬合を成熟させる矯正、咬合を支える歯周・歯内、失った咬合を再建する補綴、咬合を保全する予防・衛生管理、高齢者の支援など幅広い分野で職種を超えた連携で臨床力を研鑽できるように学術大会・支部学術大会・学会誌・認定研修会等を通して会員の皆様のレベルアップを目指して行きます。そして会員の皆様を通して国民の皆様の全身の健康に少しでも寄与出来るよう一緒に取り組んでいきましょう。
学術大会・研修会等での皆様のご参加を役員一同、心よりお待ちしております。
