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2019-2020年度 理事長挨拶=日本顎咬合学会=



理事長 黒岩昭弘


就任にあたって

 第15代日本顎咬合学会理事長を拝命いたしました黒岩昭弘でございます。重責ではありますが、学会の発展のために全力を尽くす所存です。会員の皆様にはこれまで以上に会務執行のためご理解・ご協力くださいますようお願い申し上げます。

 本会は、故保母須弥也先生によって咬合学を基盤に顎口腔系の臨床を追求するために設立され、来る令和3年には設立40年を迎える学会です。会員数は2019年6月末現在8,803名を擁する大きな規模の学会です。『顎咬合学』とは、顎口腔系に関する解剖・組織・生理・病理を取扱い、診査・診断・治療計画を基盤に、顎口腔系を治療する科学であると創設期に定義されました。更に近年では生化学・栄養学・再生医療を包括し、歯科の領域を越え様々な健康を支えるための科学として発展してきています。 会員は歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士が連携して活動していますが、最近では高齢者の口腔内の環境・機能を向上させる活動が多くのメディアに取り上げられ、「生涯、噛んで食べることが健康長寿の基本」や「咬み合わせの改善が全身状態の改善に及ぶ」ことが様々な方に伝わり、医科や介護関係の方々とも活発に連携しています。

 さて、渡辺隆史先生、上濱正先生によって提言された「新・顎咬合学」は、上田秀朗前理事長のもとで「真・顎咬合学」へと発展し、「会員の方々に十分に顎咬合学を理解・実践すること」「歯科界をもっと元気にしよう」をスローガンに37回大会では多くの会員を集めたことは記憶に新しいところです。加えて昨年から竹内孝仁先生、南清和先生方によって立ち上げられた「自立支援歯科学」は1300人収容のホールを埋め尽くさんばかりに皆さんが集い「口から食べることの大切さ」について歯科・医科そして介護の方々が考察を加え、ともに連携しながら諸問題を解決する時代が到来したことを実感しました。

 人は単に長生きすることが目的ではなく、楽しく健康に長生きすることを願っていると思います。健康を支えるために薬を飲むことは誰にとっても喜ばしいことではありません。人々が生まれ持った顎口腔系の機能を使って咀嚼し、語らい、笑うことを支えるのが真の顎咬合学であると考えています。

 昨年、日本は48万人もの人口減少があり、確実に少子高齢化が進展しています。先進国の中でも特異な人口構造の変化に対して、本学会も何が国民のニーズなのかを探りながら、「咬み合わせ」に特化して集った私たちが国民の健康を支えていかなければなりません。

 私は新たにテーマとして「人生100年時代−臨床力を磨く」を掲げました。本会の指導医、国内外の先生方が咬合を中心としたさまざまな分野(補綴学・歯内療法学・歯周学・矯正学・口腔外科学・小児歯科学・内科学・介護学・人間学等々)の知識や技術を携え、ともに競い、刺激を受けながら咬合のエキスパートとして、どの分野からもどの年齢の患者さんにも長期にわたって良好で安定した結果をもたらす治せる力としての『臨床力』を構築していただきたいと思います。そして次世代を支える若手に魅力ある夢を提示し、実践するための教育研修体制(ベーシックセミナー・若手歯科医師登竜門支部選抜・ハンズオンセミナー・充実した支部活動)も備えています。特に若い方には患者さんから喜ばれ『歯科医になってよかった』と思う経験をしていただきたいですし、指導医や認定医の皆様に対しても咬合フォーラムをはじめ認定医教育講演、指導医研修会など万全な体制を整えております。最終的には本学会会員であることに誇りを持てるような学会を目指していきます。

 そしてもう一つの新しい潮流がこの学会に訪れています。広告開示可能な専門医制度の認証です。これに関しては実現へ向けて準備を進めてまいります。歯科専門医機構が認定した専門医制度の基本的理念と本学会が目指す専門医制度とを重ね合わせてみますと、「本学会員が歯科医師の行動原則に基づき、咬合を中心とした専門医としての質を保証・維持し、それが国民に認知・信頼され、受診先の選択のよい指標となり、中長期的にも歯科医療の向上の指標となり、これが国際的にも認知される制度」となります。これからの学会の向かう方向や認定医・指導医との関係など多くの議論を尽くし、日顎らしい専門医を樹立したいと思っております。

 どうか多くの先生方のご理解とご協力、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。






第38回日本顎咬合学会学術大会・総会










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